10月3日(木曜日) 晴れ時々曇り 27℃ PM14:05〜
メロンもカボチャも腹をへらしていたようだ。
メロンはしっぽのワッカ模様がはっきりしているのに対し、カボチャはそこは色がくすんでいる。
一見同じように見える姉弟もよく見るとそれなりに違っているが、この姉妹は見るからに違う。
メロンは白い部分が全体に多いのに対し、カボチャにその白い部分はほとんどない。白は女の子でと云うのがこのピアス猫ではよく似合う。
エサを食べ終えたメロンは出入口方向を見ている。妙な輩の出入りを満腹顔で臨検しているつもりなのだろうか。
10月5日(土曜日) 晴れ 25℃ PM12:05〜
メロンがまたエサを残した。わがまま娘だ。もし本当に美容と健康に気を使うなら「もっとご飯を」だろう。少しはカボチャを見習え。
しかしそのカボチャも今日は残した。もう何処かで美味しいご飯でも食べてきたのだろうか。
食後、各々はお気に入りの木陰に横たわる。猫のキョーダイと云うのはどんな関係を一生もつのだろうか。特に野良猫は。
人間のような一面もあれば、猫特有の面もあるだろう。
犬を放し、ボール遊びをさせる若い男がやって来た。
10月7日(月曜日) 雨のち晴れ 28℃ PM15:10〜
蒸し暑い。
友達と一緒にサッカーをやるためにやって来ているような小学校低学年の男の子と話をした。
「あっちの草の中に赤ちゃん猫がいた」と云う。「少し前の日にちにお母さん猫と一緒だった」とも。
そうかやっぱり母猫は産んでいたのだ。
男の子に赤ちゃん猫は何匹だったと聞くと「三匹ぐらい」と。カボチャとメロンに性別不明のキョウダイができていたのだ。
男の子が「あっちのほう」と教えてくれたので、あっちやこっちを調べたが見あたらなかった。
10月9日(水曜日) 曇り 22℃ PM13:55〜
狙っていた。メロンとカボチャは若いサラリーマン氏がマクドナルドハンバーガーを食べているその脇で、「ちょうだい」と云うような顔で、実はスキを狙っていたのである。
サラリーマン氏がパンの端くれを彼らに与えていたかどうかは分からない。
メロンは今日もエサを残した。それに比べカボチャのがっつきは一向に衰えない。
赤ちゃんを連れた母親が来た。赤ちゃんは近づいてきたメロンを見て「ワンワン」と云う。母親は「そうね、かわいいニャンニャンね」と笑う。
カボチャは食後の一服を楽しんでいる。そうしたところへ母猫が久々に登場した。赤ちゃん猫は連れていない。しかしカボチャは母親に与えたエサを横取りしようと度々邪魔をする。親思いのないバカ息子だ。
10月10日(木曜日) 快晴 24℃ PM14:40〜
メロンとカボチャは仲良く並んでご飯を食べる。そうするようにエサを置いたので当たり前だが、がっつきのカボチャには細心の用心が必要だ。
メロンはめずらしくエサを全て食べ、もっと欲しいような顔つきをする。
ご飯をいっぱい食べることは良いことだ。そうでないとこの公園をテリトリーとして守っていけないだろう。
生きることはすべからく喰うことから始まる。
10月14日(月曜日) 快晴 26℃ PM13:50〜
カボチャにエサを与えていると、久しぶりに母猫がやって来た。
体育の日なので子どもたちも遊んでいる。
カボチャから離れた場所で母猫の前にエサを置いたが、傍若無人のカボチャがやって来て母のエサまで奪い取る。カボチャの前には母親の倍のエサを置いているのに…バカ丸出しだ。
そうしたところへ出てきた・出てきた初見参。カボチャやメロンの弟か妹にあたる子猫一匹がよたよたと現れたのである。可愛い、そして全体の雰囲気はカボチャよりメロンに似ている。三ヶ月ほどだと云う。
そう教えてくれたのは中高年の男性だった。この人はこのピアス猫一族のことをよく知っていた。たぶんいろいろ世話をやいているグループの一人なのだろう。
この男性によると、今日初めて見た赤ちゃん猫は三匹産まれた子猫のうちでは「いちばん弱い猫」だと云う。しかしその猫はどこからともなくやって来た大猫と茂みの中ですれ違うと、ウーウー云って対峙する。もういっちょまえの野良猫気取りである。
小学生低学年の女の子たちもやって来た。ピアス猫のことを訊ねるとみんなよく知っていた。「エサをあげてもいい」と聞かれたので、エサを袋ごと渡した。子どもたちが赤ちゃん猫にこの乾燥エサをあげ始めたので、「まだ無理かもしれないよ」と教えた。すると先ほどの男性が「柔らかいエサだったら食べるんですけど」と、子猫の成長具合を教えてくれた。
男性はまた女の子たちに「子猫は遊んでくれる人が好きなんだよ、遊んでやると仲良くなれるよ」と云う。猫じゃらしを持った女の子が子猫を喜ばす。
子猫がカボチャとじゃれ合う。それを見ていた男性が「すぐ前のキョウダイぐらいは分かるから、ああやって仲良く遊ぶけど、それより前のキョウダイはもう分からないようですね。臭いとか、そうしたものなのでしょうか」と不思議がる。
母猫は八歳ぐらいだと教えてくれ、そして健康だから子どもをよく産むとも云う。
今日はデジカメを持ってこなかったので、子猫の写真はもう少しお待ち頂きたい。
乞うご期待!
10月16日(水曜日) 快晴 28℃ PM13:50〜
カボチャ、そしてついに赤ちゃん猫群がカメラの前に現れた。これで本当に三ヶ月だったのだろうか。
「一番弱い猫」、そして「真っ黒」、更には「黒白」の三匹。どれもがカボチャやメロンのお兄ちゃんお姉ちゃんと仲が良い。
そうした中で「真っ黒」だけが私の与える固形エサを食べることができた。あとの「一番弱い」と「黒白」は未だ食べられず、エサの周りをウロチョロするだけ。エサということは分かっているようなので、よけいに哀しそうだ。
しかし仕方なくそこいらで体を休ませる姿だけはいっちょまえで、もはや野良の素質十分。
いずれ三匹に名前も必要だろう。
母猫がのこのこやって来た。
写真の赤ちゃん猫は「一番弱い猫」。
10月18日(金曜日) 22℃ 雨のち曇り PM14:00〜
雨上がりなので、カボチャもメロンも腹がへっていたのだろう。二匹とも跳んでやって来た。早い走りだった。もしかすると雨の中で朝ご飯抜きだったのかもしれない。
カボチャはいつものように己のエサを全部平らげると「もっとくれ」とこちらを睨む。そしてお姫様が食べ残した餌に食らいついていった。
なんの脈絡もないが、猫の耳は一時たりとも静止せず動く。
カボチャは未だエサを食べ続けている。
10月20日(日曜日) 曇りのち雨 19℃ AM10:40〜
 めずらしく母子三匹が一緒にいた。母とバカ息子のカボチャ、そしてメロンである。赤ちゃん猫三匹は何処かに隠れているようだ。
午前中なので母子共々、よくご飯を食べる。カボチャは自分のエサを残しつつ、母やメロンの周りをうろつく。うろつきついでに隙あらば二匹のエサを奪い取ろうとしている。
メロンは食後すぐ木の幹で爪を研ぐ。母は一人用ベンチに乗り、体を舐める。カボチャは「もっとくれ」とミャーと鳴く。
親子でもサンニンサンヨウだ。
10月23日(水) 晴れ 21℃ PM15:15〜
いた。メロンにカボチャ、それにメロンたちの弟だか妹だかわからない赤ちゃん子猫三匹はちゃんといたのだが、ここで「いた」と記したのはピアス猫ファミリーにエサをあげている人がいたと云う「いた」である。
今、ピアス猫ファミリーにエサをあげているのは学生のような若いカップルだ。そこへ少女二人もやって来てパンの切れ端を撒く。メロンもカボチャもこっちには十分気づいているが全く近寄って来ない。この一族は私が考えているよりずっと多くのファンを持っているのかもしれない。
カップルの女性が「近頃メロンを見ないんです」と云う。しかし私はほぼ毎日メロンを見ている。
手前の赤ちゃん猫は「一番弱い」だ。
10月24日(木) 雨のち曇り PM14:30〜
母親、カボチャ、メロンに「一番弱い」が現れた。みなお腹が減っていたようだ、雨で。
母、カボ、メロはがつがつ喰う。「一番弱い」も固形エサを食べようとするが、どうしても口の中に入れられない。柔らかいエサに比べると異物感があるのかもしれない。
しかし「一番弱い」は生きることへの本能なのだろうか、エサを食べる母親のオッパイに吸い付く。母親もそれが分かっているようで、ちゃんと母乳を与える。
「一番弱い」が赤ちゃんらしくミャーミャー鳴く。
10月27日(日) 快晴 22℃ PM15:25〜
全員集合。母、カボ、メロ、そして赤地やん子猫三匹である。赤ちゃんで既に固形エサを食べられるのは相変わらず「真っ黒」だけで、「一番弱い」も「黒白」も目をまん丸に見開いてみんなの周りをウロチョロするだけ。
メロはエサを食べ終えるとさっさといなくなり、母はいつものように「グーグー」と唸って欲求不満顔のままだ。しかしこの母、エサに関してはとてつもなく子ども思いで、自分の食事はいつも一番最後。そしてエサがなくなっているとグーグーと私に文句を言う。少しは図々しくなってくれよ、お母さん。
赤ちゃん猫三匹が勢揃い。
10月29日(火) 快晴 17℃ PM14:05〜
メロもカボも最初現れなかった。理由はすぐに分かった。真っ黒い大人の野良猫が、エサをあげる場所を占拠していたのである。この「まっくろ」は強そうと云うよりは「ヤバイ」感じがするネコだった。
その「まっくろ」を遠くにやると、メロとカボはすぐやって来た。全く図々しくもある。
それでも特にカボは「まっくろ」が気になるのか、態度にも目つきにも落ち着きがない。たぶんテリトリー意識がメロより強いのだろう。メロはいつものようにお姫様ランチタイムをお過ごしになる。
母親と赤ちゃん三匹は現れなかった。
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