2月1日(土曜日) 快晴 8℃ PM16:50〜
風が強く寒い。そうしたこともあるのだろうか、メロンとカボチャがパーゴラ下一人用ベンチ脇で縮こまっていた。そばには赤ちゃん猫(どう見ても既に赤ちゃんサイズではなくなったので、これからは「真っ黒」「黒白」と呼ぶ)の「真っ黒」がいる。
メロとカボにエサを与えるが、もう固形エサを食べられる「真っ黒」は近づいて来ない。ならばこちらから近づくと「真っ黒」は逃げる。逃げるときに、何やら薄ピンク色のモノをくわえている。最初、それはマルハの魚肉ソーセージのように見えた。色と云い、形と云い、ソーセージにそっくりだった。しかしよく見ると、それは犬か猫のぬいぐるみの尻尾のようだ。「真っ黒」はそれをくわえたまま、嬉しくてしょうがないのか、茂みの中を飛び回る。やはりまだまだ赤ん坊なのだろうか。それとも歯から外れなくなっているのだろうか。
2月2日(日曜日) 曇り 5℃ PM16:45〜
いくら呼んでもピアス猫ファミリーは一匹も現れてくれない。それからも嫌になるほど呼んだが結果は同じだった。私の猫なで声は猫たちに好かれていないようだ。
今日一日、ここはにぎやかだったのかもしれない。
2月3日(月曜日) 快晴 8℃ AM11:10〜
カボと「真っ黒」が日向ぼっこをしている。エサを与える前に二匹の写真を撮っていると、カボは「早くエサをくれ」とばかり、いろいろな仕草を見せる。身体をこっちにすり寄せたり、寝転がったりと、全く人の子どもと同じだ。
真っ黒をよく見ると、胸に小さな白い毛が生えている。案外可愛い紋様だ。
少し離れた場所に見知らぬ猫がいるが、カボは唸り声を上げたりはしない。相手の猫も穏やかな表情をしている。姻戚関係にでもあるのだろうか。
カボも真っ黒も「もっとエサをくれ」とうるさい。
2月4日(火曜日) 晴れ 7℃ PM14:15〜
母猫と真っ黒がいた。ここ数日、真っ黒がよく現れる。しかし用心深さは人並み以上。だからほとんど近寄れない。
めずらしく母猫が近づいてくる。真っ黒は一人園内をふらつく。
メロがやって来た。メロも私にすり寄る。なんだか異様にもてて気持ち悪い。
メロは食後、パーゴラにかかるフジの幹で爪を研ぐ。結構よくやる仕草なので、フジの幹は痛んでいる。
メロが食べ残した餌に真っ黒が食らいつく。小奴、さっき与えたエサには見向きもよらなかったのに。お姉ちゃんの食べたエサは安全と云うことなのだろうか。
母猫は食後、ずっと喉をごろごろさせている。一年中花粉症のようだ。
カボは現れなかった。
2月6日(木曜日) 快晴 10℃ PM14:10〜
母親、カボチャ、メロン、真っ黒、黒白の親子全員揃って日向ぼっこをしていた。
五匹それぞれ平等にエサを与えたが、母は真っ黒と黒白のエサをぶんどり、メロは一口も食べない。カボも少し食べ残した。
最後になって真っ黒がメロに与えたエサを見つけて食べる。
真っ黒も黒白も毛艶が悪く、目やにも多い。やはり冬は辛いのだろう。
黒白は少し離れた場所からこっちを伺うだけ。
2月10日(月曜日) 晴れのち曇り 13℃ PM14:00〜
メロンを除いてみんな現れた。中でも今日の母猫の威厳はすさまじい。他の四匹がうるさくつきまとうとグォーと唸る。するとみなビクッとおどろく。こんな母親の姿を見るのは初めて。いやちょっと待て、確かこの一族は母、カボ、メロに真っ黒と黒白の五匹。そして今日はメロがいない。なのに五匹いる。ありゃりゃ。
よく見ると母猫とほぼ同じ紋様の猫がもう一匹いたのである。いやこれも違う。母猫はもう一匹の方で、いつもの通り気弱な態度で廻りをウロチョロしている。母猫と見間違えた方が「よそ者」だったのである。普通の「よそ者」であればカボや母猫たちが喧嘩をうるが、そうした素振りも見せない。もしかするとメロやカボの父親なのだろうか。いずれ分かるだろう。
2月14日(金曜日) 快晴 11℃ PM14:10〜
インフルエンザでめちゃくちゃだった。
パーゴラ下ベンチにメロンがいた。日向ぼっこである。しかし同様に日向ぼっこ好きのカボはいない。
メロはエサを食べながらもどこか落ち着かない。周辺を見回すとネットフェンスの向こうに丸々と太った猫がいる。メロはこの猫を気にしているようだ。
それにしても近頃カボに会わない。
2月18日(火曜日) 曇りのち雨 5℃ PM13:55〜
久しぶりにカボが現れた。エサをあげる。しかし見向きもしない。お腹がいっぱいなのだろうか。それともトイレ近くをウロウロする一族ではない猫が気になってしょうがないのだろうか。
それにしても気が強く、がっつきのカボがエサを一口も食べないのはめずらしい。
メロは現れなかった。
2月19日(水曜日) 晴れのち雨 10℃ PM14:05〜
メロンとカボチャが一緒に日向ぼっこをしている。近頃ではめずらしい。
二匹へ平等にエサをあげる。しかし昨日同様、カボは最初、エサを口に入れなかった。固形エサの種類を変えたのがいけなかったのだろうか。しかしこれは敢えて変えたのではない。ショップが以前のモノを取りそろえなくなったのだ。他の店を探せはあるかもしれないが、そんな時間的余裕は私に全くない。カボにはお許しを願うしかない。
カボはそれでもメロンの食欲を見てからやっと食べ始める。二匹が一緒にエサを食べるシーンは久しぶりかもしれない。
食後のメロは茂みの縁でグテッとし、カボは茂みの中でぼんやりしている。
夕方以降、天気はがらっと変わり、雨模様になると云う。
2月20日(木曜日) 曇り 8℃ PM13:40〜
カボだけがやって来る。今日はエサを食べる。やっと慣れてくれたようだ。それでも何かが気になるようで、食べるスピードはそれほど速くない。
カボが固形エサを噛み砕く音はガリガリとすさまじい。こんな顎と歯と爪でやられたら傷は深くなる。
どうでもいいが、私は今、カボの顔に伸びたヒゲを引っ張ってみたいと思っている。
2月22日(土曜日) 曇りのち雨 7℃ PM15:50〜
「おばさん」と幼い女の子が遊具周辺で遊ぶ。けっこうにぎやかに走り回るのでピアス猫一族は現れないかもしれない。それでも「メロン、カボチャ」と呼んでみた。そうやって園内を二周ほどしたときにメロンが現れた。相変わらず可愛い。
食後のメロンは木の幹で爪を研ぐ。これは一連のパターンだ。
カボチャにもエサを与えたかったので「カボ、カボ」と呼んだが、とうとう現れなかった。今日はこれから冷たい雨があると云うのでエサをいっぱい与えたかったのだが…。
2月26日(水曜日) 快晴 12℃ PM13:30〜
カボチャと母猫が現れた。二匹は園内清掃をしているいつものおばちゃんが持参しているビニール袋に顔を突っ込んで何やら捜し物をしている。エサであることは間違いない。
園内清掃仕事に従事しておられるこのおばさんはすこぶるまじめに仕事をする。どこがどうと説明はしないが、私はいつも敬服している。
二匹に別々の場所でエサを与える。カボは二度お代わりをしたあと、母の分まで横取りした。
おばちゃんば初めて口を開いてくれた。
「どうも」と。
私は丁寧に「はい」とだけ答えた。べらべら喋るだけが能ではない。
2月27日(木曜日) 快晴 11℃ PM13:45〜
パーゴラ下一人用ベンチで菓子パンを食べる若い女性を標的にしていた。メロンとカボチャの野望はそのパンである。決してうら若き女性の美貌が狙いではない。しかし二匹の狙いは果たせていなかったようだ。
私が園内に入るとカボとメロが走り寄ってきたことがその証だろう。世の中それほど甘くはないし、うら若き女性も柔ではない。
メロは食後散策に出かけ、カボは猫背のままこっちを見る。その目は「人生、いろいろありますねっ」とでも言いたげである。
カボはそうした表情を見せつつ、そこいらに残っているエサを喰い続ける。こいつはどこか世慣れている。
|