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ピアスをした猫日記
新宿区立下落合東公園・15年7月分

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7月2日(水曜日) 晴れ 28℃ PM13:40〜
 
カボチャがいた。私を見つけるとパーゴラわきに伸びるビワの葉に臭い付けをする。ここは自分のテリトリーだと主張しているようだ。一年も私と「付き合って」いながら、今でもこっちを悪質な「土地転がし」とでも思っているようだ。
 メロンは現れない。もうだいぶ会っていない気がする。この日記も残すところ多くて一日か二日となる。いろいろ記しておきたいこともあるが、それは最後の日にしたい。しかしそう思って最終日を迎えると、あんがい書き残しておくことが少なかったりするから不思議だ。もしかすると「いろいろあった」程度になるかもしれない。
 カボはおじさんが飛ばし始めたゴム動力ヒコーキに驚いて茂みに消えた。

7月4日(水金曜日) 晴れ 29℃ PM13:20〜
 ピアス猫日記も今日が最終日。
 ピアス猫を探し回る前にカボチャが現れた。このところ必ずやって来るのがカボだ。カボはめずらしく「写真をいっぱい撮ってももいいよ」とばかりいろいろな姿勢を晒してくれる。目線も度々合わせる。そしてめずらしくこちらが与えたいつものエサを食べる。今日でお別れなのが分かっているのかどうか…気を使っているのか…。そして更にはカメラやエサ袋を置いていた一人用ベンチの上に飛び乗り、こっちをずっと睨む。こうしたことは全くなかったわけではないが、非常にめずらしい。
 しかしカボもやがてどこかにいなくなった。

 とうとうお姫様のメロンと、男好きの母猫に赤ちゃん猫、そしてメロンやカボチャの弟や妹にあたる「まっ黒」と「黒白」は現れなかった。ここ数ヶ月、まっ黒と黒白は全く姿を見ない。己のテリトリーをどこかに確保したのだろう。そう言えば、このまっ黒や黒白と一緒に産まれた「いちばん弱い」は、わずかな時間をここに残しただけでこの世を去った。みんな元気なのが一番だが、元気で育つことの方が「野良」では難しいのだろう。
 私はこの日記をつけるについて、然したる理由もなく、ただなんとなく「野良」と言う言葉は使いたくなかった。しかし然したる理由もなかったので、ついつい使いやすい言葉として使っていた。
 とある本を読んでいると、作者はそうした猫を「外猫」と読んでいた。外猫なる呼び方がどうなのかは何とも云えないが、やはりちゃんと考えておくべきだった。
 最初に出会ったころのカボチャとメロンはまだ幼顔をしていた。日記スタート時の写真を見ていただくとよーくわかる。もしかすると一歳にも満たない年頃だったのかもしれない。その二匹はボランティアの人々の活動によって去勢手術を受け、その印として耳にピアスを付けている。決してファッションや誰かの悪戯ではない。
 私は猫に興味がなかった。犬の心を掴む方法はそれなりに心得ていたが、やっぱりネコは猫。好き勝手にさせておくのが良いと思っていた。そんな私が好きでもない猫の日記を一年間綴り続けるなんで自分でも思っていなかった。天国にいる父が知ったら腰を抜かすに違いない。それほど私は「続けること」が子どものころから苦手だった。
 メロンやカボチャとはエサを与えることで仲良くなれた。そうしてメスのメロンとオスのカボチャを観察し続けた。
 メロンはあんがいすべり台などで遊び、昆虫を襲うことも好きだった。そしてなんと言っても「美人」だ。ちらちら耳に入ったウワサによると、数人の人が幼かったメロンを「家猫」にしようと画策したことがあるらしい。結果からみるとどれもが失敗したようだ。それに比べると、カボチャはただひたすらわんぱくで、食い意地が張っている。そして落ち着きがない。私とまったく同じ評価を社会から不当に受けている。しかし事実の側面もあるのが何とも悔しい。
 メロンやカボチャとの「いろいろ」は長くなりすぎるので、各月々をお読み頂きたい。
 6月初め、男好きの母親が今年出産したばかりの赤ちゃん猫一匹を連れ、私の前にやって来た。その子猫はメロンや父猫が食べる固形エサを横取りするほど生命力の強い赤ん坊だった。たぶんカボチャに劣らないわんぱく坊主ぶりを発揮することだろう。
 カボ以外は現れなかった。やっぱり私が培ってきたのは「男同士」の友情だけだったようだ。

 ピアス猫ファミリーよ、みんな元気で。そして早々とこの世を去った「いちばん弱い」には冥福を祈りたい。またこの日記をつけるプロセスで多くの人々と知り合いになれたことにも感謝している。
 みなさんありがとうございました。


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