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ピアスをした猫日記
新宿区立下落合東公園・14年7月分

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 「ピアス猫デジタル写真集」を絶賛発売中。

7月6日(土) 晴れ
 子どもたちが遊ぶ。サッカーごっこの子どもたちでにぎやかだ。
 ピアス猫ファミリーを探す。いつも潜んでいる植栽あたりに向かって「メロン、カボチャ」と呼んでみる。しかし全く姿を見せない。同じように呼びつつ園内を三周した。反応がない。やはりご飯を持ってこなかったのがいけなかったのだろうか。
 滑り台で遊ぶ子どもたちに聞いてみると「知ってる」と云うが、「いる時といない時がある」とも付け加えた。
 更にメロン、カボチャと呼び続けると、園外から一度だけニャオーンと声がした。しかし姿は現さない。子どもたちがうるさいので、どこかに避難しているのかもしれない。 ピアス猫ファミリーは純然たる野良猫親子だ。
 メロンはご飯が大好き。生きることに邁進しているとも言える。
 ブドウが実るパーゴラ下にやって来た女性がお弁当を食べ始めた。するとどこからともなくメロンが現れた。しかしカボチャと妊娠中の母親は姿を見せない。たぶんどこかに隠れてじっと見守っているのだろう。
 と、鋭い目つきの牡・カボチャが遠くに姿を見せた。やはり生き延びたいのだ。
 お弁当を食べていた女性はメロンやカボチャにとうとうおかずの一つもあげなかった。こうした意志も大切なことだろう。

7月7日(日) 曇り時々晴れ 31℃
 やはり最初に姿を見せたのがメロンで、おくれて現れたのがカボチャである。カボチャは大きく目を見開き、こっちを見る。もしかすると「メロンだの、カボチャだのとうるさく名を呼ぶな」と怒っているのかもしれない。いやそう考えているのは姿を晒さない母親だろう。子猫を守る母親としては当然の思いだ。
 メロンが植栽から飛び出た。園外に行くのだろうかと見ていると、園内を花壇に沿ってほぼ一周し、所々で臭いを嗅ぎつつ植栽の中に消えた。子どもたちの遊びなど気にする様子はない。
 定時の見回りだったのだろうか。この公園を根城とする猫としては、子猫であっても当然なのだろう。カボチャは飛び跳ねるようにしていなくなった。
 私は犬派か、猫派かと云われたら、間髪入れず「犬」と答える。自慢ではないが、犬を笑わすことは案外簡単だし、顔見知りの犬なら、その犬の口の中に手を入れても噛まれない自信をもつ。
 家の近所に友達の犬は五頭いて、会うごとに互いに涎だらけになって喜ぶ。また子犬も可愛いが、よぼよぼの爺さん・婆さん犬も大好きだ。
 だからピアスをした猫がいたからと云って、猫日記を記すとは自分でも思っていなかった。
 猫好き、犬好きの分類は、実は自分の近くにどちらの種類がいるか程度の違いではないだろうか、と思うようになった。
 それにしても写真一枚、猫はこっちの思い通りにはならないのは凄い。
私のデジカメにズーム機能はない…。

7月8日(月) 晴れ 34℃
 ピアス猫ファミリーの名を呼びながら園内を三周し、「いないなぁー」と諦めたとき、滑り台裏にひっそりいたのが、警戒心の強いカボチャである。 しかし私のことが嫌いなのか、近づくとすぐ逃げる。まともな写真が撮れたのは、隣家との境目になるフェンスの外側に組まれたブロック塀で止まってくれたときである。
 カボチャはそこでオンナっぽい座り方をし、こっちを「また貴様か」と蔑む顔で睨む。それからサービスのつもりか、一瞬だけこっちを覗くように見つめた。
 カボチャが手前の花々へ飛びかかった。蝶が逃げた。もう一匹も逃げた。カボチャは本気で蝶を狙い食べようとしたのだろうか。たぶんそうではない。 このところ自分たちの写真を撮りにくるバカ男に「俺たちはこんなことも出来るんだ。ピアスを付けただけの弱虫小僧ではない」とでも云いたかったのだろう。
 今日の写真は全てカボチャだ。

7月11日(木) 快晴 35℃ 午後17:45〜
 住宅地の奥まった場所にある下落合東公園には、もう誰もいない。
 そうした静かな園内にメロンはパーゴラ下一人用ベンチにのんびり座っていた。写真で少し追うと、めずらしく樹木で爪を研ぐマネを数本の木でした。それからカエデの木を支えている木枠に飛び乗ってこちらを伺う。これは「私のテリトリーよ」と主張しているようだ。
 メロンはそれから塀を乗り越え園外に消えた。どこかにご飯でも食べに行ったのかもしれない。
 この公園には多種のフルーツ樹木が植えられている。今の私の狙いはブドウとプルーンである。ピアス猫親子は四季色づくフルーツをどう思っているのだろうか。
 名のない母親とカボチャは現れなかった。
 
7月12日(金) 快晴 32℃ PM17:45〜
 「メロン、メロン」「カボチャ、カボチャ」と園内を五周したが誰も現れてくれない。カメラの前に姿を現さなかったのは「ピアスをする猫」日記スタート以来初めてである。
 園内にはパンツ丸出しの高校生愛欲カップルがキスしたり、抱っこしたりと、いろいろ楽しそうなことをしているので、ファミリーそろって何処かに避難したのかもしれない。まぁーメロンとカボチャの母親も今また妊娠しているのだから、人間のことばかりをウダウダとは言えないだろう。もう一周だけ「メロン、メロン」と呼びながら隣家のベランダを見ると、いたいた。そこには優雅に横たわるメロンがいた。「こっちに来い、写真に映ってくれ」といくら呼びかけても見向きすらしない。やはりご飯を持ってこないと好かれないのだろうか。

7月14日(日) 快晴 35℃ PM17:30〜
 園内を五周して「メロンとイチゴ」ではなく、「メロンとカボチャ」を探し歩いたがニャォーンともクォーンとも言わない。滑り台部にいた太めの女の子二人にメロンとカボチャのことを説明したが、「知らない」と言う。
 今日はあまりに暑いので、何処かに行水にでも行っているのだろうか。
 ここで今日分の日記を書き終えたらもう一度「メロン、カボチャ」と呼んで一周してみよう。猫の気持ちはとんとわからん。
 いたいた。最後の最後にやっと会えた。嬉しい。
 メロンは隣家のアパートの出窓の脇に寝そべって、こっちをあざ笑っていたようだ。
 私はその場所を見逃していた。なぜなら、さっきそこで住人が洗濯物を干していたのである。そうしたところを覗いて歩くわけにはいかない。
 メロンは十二単を身にする女性のように優雅に寝そべっている。
 園内に街灯がついた。





7月15日(月) 晴れのちくもり 33℃ PM17:45〜
 明朝、関東地方を直撃するだろう台風7号の襲来を感知してなのか、それとも缶けりに興じる子どもたちのうるささに閉口したのか、ピアスファミリーはどこにも見あたらない。
 公園を根城とするファミリーにとって、公園で全てがまかなえるわけではないだろう。近隣民家にも当然手足を伸ばし、テリトリーを持つのだろう。だとすると、名のない母親や、メロンやカボチャを毎日ここで見ることの方が難しいのかもしれない。
 「ファミリーに会えて嬉しい」と思わなくてはいけないのだろう。呼べば応えるほど人も猫も暇じゃないようだ。
 公園で暮らす猫にとって、園内がうるさいのは特別嫌なことではないだろう。だとすると、やはり台風直撃によるエサ不足を解消しなければならない予知行動をとっているのかもしれない。
 「予知と準備」。これこそが災害を最も小さくするのは全ての生き物に備わった能力なのだろう。何もウナギだけが立派で、美味しいわけではない。
 それにネコ属のライオンなどは「食べおき」ができると言う。だとすればピアス猫にもそれが可能なのだろうか…。ならば犬の祖先と言われているオオカミもまた「食べおき」をすると聞いている。犬もそうなのだろうか。
 そうかわかった!!
 肉食ほ乳類はすべからく「食べおき」が可能なのかもしれない。人もまた同様のプロセスを経ているのかもしれない。
 ピアス猫ファミリーは今頃どこかの邸宅のお庭で頂いたご飯で「満腹腹」を持て余しているのかもしれない。ここまで妄想を膨らますと少々憎たらしくなってきた。
 今日は一枚の写真もありません。ごめんなさい。

7月17日(水) くもり一時雨 30℃ PM14:15〜
 一時間ほど雨が降った。今はお天道様も出てギラギラと蒸し暑いが、ピアス猫ファミリーは現れない。いくら猫なで声で呼んでもウンともスンとも云ってくれない。
 ウサギも水は嫌いだが、猫も水嫌いだと聞く。ファミリーはみんなばらばらで、どこかの屋根に寝そべり日光浴でもしているのかもしれない。
 今日も写真はないのです。

7月19日(金) 晴れ時々くもり 31℃ PM14:30〜
 明日、明後日(海の日)あたり、いよいよ関東地方にも梅雨明け宣言が出される模様。
 猫にとっても、これからが夏本番だろう。
 しかし彼ら野良猫ピアス猫ファミリーにとって、夏を待ちわびる理由はあるのだろうか…。
 恋いは一年中だし、出産のめでたさもしょっちゅうだろう。食べ物だって豊富とは言い難いし、たぶんに腐っていたりもする。またお盆もなければプールや海水浴もない。
 あっそうか、あるある。夏にいっぱい飛んでくる昆虫と遊ぶことだ。しかしそれだけで夏を待ちわびる気持ちになるのは、どう考えても辛い。
 それにしても、このところピアス猫ファミリーを全く見かけない。
 忍耐と我慢と、よく分からないが忠誠心だろう。

7月22日(月) くもり時々晴れ 33℃ PM14:00〜
 効果絶大。四文字熟語の書き取り練習ではない。
 ピアス猫ファミリーの写真を撮るために持参たエサのことだ。缶詰のウェットタイプではなく、乾燥さたビスケットタイプのものだ。
 隣家の庭先でドテッと寝ていたカボチャに少しだけエサを投げた。すると普段用心深いカボチャが飛びついた。あまり人当たりの良くないカボチャはメロンに比べると、日々腹を減らしているのかもしれない。ガツガツ喰う。
 そしてその後からゆっくりやって来たのがメロンだ。まるでお姫様の登場である。彼女はそれほど卑しい食べ方をしない。カボチャほど人を嫌がらないのがエサに不自由しない方法なのかもしれない。
 4.5口エサを食べただけでメロンはいなくなった。それに比べると、カボチャは最後の一粒まで食べた。
 「とりあえず喰う」。この教訓こそが生そのものだろう。

7月24日(火) 晴れ 33℃ PM14:35〜
 
カボチャがいた。エサを置くとすぐにやって来た。ガリガリと猫属らしい食べ方をする。腹が減っているのだろう。30センチほどの距離で写真を撮っても逃げない。しかし一度だけびっくりして逃げた。カラスがカァーと鳴いたときである。子猫にとってカラスは天敵なのかもしれない。
 そうこうしているとメロンもやって来た。エサを察知する能力は見上げたものだ。しかしメロンの食は相変わらず細く、2口3口食べると後ろに下がった。メロンのエサは残ったままとなる。するとそれに突進したのがカボチャだ。男は体が一番で、オンナは美容が一番なのは、動物の世界には残っているようだ。 

7月28日(月) くもり 30℃ PM15:05〜
 いつものように「メロン、カボチャ」と呼んでみる。母親は名がないので呼べない。妊娠していると聞くが出産はいつ頃なのだろうか。そして何処で産むのだろうか。興味は絶えないが、また公園生活猫が増えることになる。
 カボチャがいた。隣家の庭先でドテッと休んでいた。そのあたりをよく見ると猫のエサが十分に置かれている。ピアス猫ファミリーは基本的にここで食事をしているのかもしれない。
 エサ投げてみた。するとカボチャが動いた。しかし、とうとうこちらにやって来ることはなく何処かに消えた。
 母親に見守られて遊んでいた幼い姉弟がこちらに近づいてきた。カボチャとメロンのことをちょっとだけ教えた。するとお姉ちゃんの方が「カボチャは食べられるんだよ」と喜ぶ。母親は近くで笑っている。
 あとでもう一度「カボチャくん、メロンちゃん」と呼んでみよう。
 過日、ここで会ったエッチ高校生カップルが今日も互いに乗っかったり、モミモミしたりと青春を謳歌している。


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